昨日、船井総研のマイナンバーに関するセミナーに参加してきましたが、その中で「社保逃れをしている企業は少なくとも数十万社はある」との驚愕の事実を聞いたので、少し調べてみました。
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所得税を納めている会社は13年時点で約246万社ある。厚生年金加入の約180万社との差について、厚労省は大半が加入逃れの可能性が高いとみている。(朝日新聞デジタルhttp://digital.asahi.com/sp/articles/ASG7Q4J29G7QUTFL004.html )
そもそも「社保逃れ」とは、どういった行為を指すのだろうか。
「ここで問題となっている『社会保険』というのは、具体的には健康保険と厚生年金保険です。
所定の労働時間・労働日が、正社員の4分の3以上の労働者については、企業は健康保険と厚生年金保険に加入させた上で、保険料の半分を負担しなければなりません。
これは、企業に課されている義務です。労働者が『アルバイト』であろうが『パート』であろうが、関係ありません。
この負担を節約するために、勤務時間を改ざんし、実際より少なく申告して、結果として企業がその分の保険料を払わずに済ませようするのが『社保逃れ』です」(bengo4.com http://www.bengo4.com/roudou/n_2350/)
また、法人の場合は社会保険を適用しなければなりませんが、それをせずに、役員や従業員が自分で国民健康保険と国民年金を支払っている、という会社が少なからずあるように聞きます。(税理士ドットコム http://www.zeiri4.com/c_1032/n_103/)
具体的に、「社保逃れ」は労働者にどんな影響があるのだろうか。
「会社で健康保険に入らない場合、自分で国民健康保険の手続きをして保険料を支払わなければなりません。そうしないと無保険状態となり、病院も満足にかかれなくなってしまいます。
また、会社の健康保険では、病気で働けなくなったときに、給料の3分の2相当にあたる金額が最大で1年半保障される制度がありますが、国民健康保険ではそのような保障は通常ありません。
さらに、厚生年金保険に加入しない場合は、国民年金保険料を自分で納めることになりますが、将来受け取れる年金額は、厚生年金保険に加入している場合に比べて、大幅に減ることになります」
「社保逃れ」は法律で規制されているのだろうか。
「社保逃れは、健康保険法や厚生年金保険法に違反します。違反した事業主には、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます」(bengo4.com http://www.bengo4.com/roudou/n_2350/)
賃金台帳の二重帳簿により、標準報酬を違法に削減し保険料の負担を少なくしている企業もある。
試用期間だとして入社3カ月あるいは6カ月も加入させていない企業が多すぎる。それに対する行政指導や罰則が甘い。
正社員と同じように働いているのに、あの人は社会保険加入の契約社員、この人は業務委託社員だからと称して法定福利費の支払を免れている。これもまた、一般からの相談を受けているとよく聞く。(SRパートナーズ http://sr-partners.net/archives/51872278.html)
社会保険に入れば、企業は半額負担を直ちに迫られる。労働政策研究・研修機構の2012年の調査では、事業主の18・7%が、パートを雇う理由に「社会保険料の負担が少なくてすむ」を挙げた。るあ?わ
非正規労働者の労働条件に詳しいジャーナリストの日向咲嗣さんは「社会保険の加入対象になっていることを従業員に知らせず、雇用者が加入を阻む例はる昔からあった」と話す。
病気やけがで休職する場合、国民健康保険には給付制度がないが、通常の社会保険にはある。棗弁護士は「過労やうつ病で働けなくなると、国保なら給付ゼロだから直ちに困窮する。(社会保険の給付で)生活の糧があれば会社ともじっくり交渉できる」と話している。(47NEWS http://www.47news.jp/smp/47topics/e/258950.php)
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マイナンバーの正式名称は『社会保障・税番号制度』。法律に則って社会保険料や税金を納めている企業にとっては利便性が増すでしょうが、これまで逃れてきた企業にとって、情報が一元管理化される施行後は、不正や間違いが正されることになりそうです。