「入札の関係あるから、(大きな事故はともかく)小さいケガだと労災保険は使いづらいよね〜」とは建設会社などでよく交わされる会話。改めて労災保険について少し。

(労災保険とは…厚生労働省主管の保険で、運用母体は政府。労働者を雇用する場合には加入が義務)
(業務上の事故は原則として健康保険は使えず、労災を使うことが法律で定められています。素朴な疑問に対する知識としてお読みください。)

Q. 「業務上のケガで病院に治療に行ったら、自動的に労災適用になるの？」

実際に病院に行った際の対応としては次の３つになります。

１，特に何も申告せず、健康保険で自己負担のうえ治療する。

２，労災指定病院に行き労災保険を使う旨伝え治療に入る。

３，労災指定外の病院で治療を行なう場合は、一度治療費の全額を自己負担し、後日労働基準監督署に申請し返納を受ける。

ということで、自動的に労災が適用になるわけではなく、また医療機関が勝手に判断する訳でもありません。

なお、申請の原則は「被災した本人が労働基準監督署へ申請」となっておりますが、通常は雇用主が代行することがほとんどです。

ちなみに一般の傷害保険はどうなのかと、これもまたよく聞かれますが、民間会社である保険会社の傷害保険は、公的な被災労働者の補償である労災保険とは全く別のものであり、労災保険を使ったか否かが支払いの基準になる訳ではありません。