アメリカの健康保険制度について

昨年、アメリカで初めて導入された国民皆保険「オバマケア」。夢の制度と言われたが、現実は逆で、薬価も高騰し以前より医療難民が増えたと言われている。

そもそもアメリカの医療制度とは、元来どのようなものなのだろうか?

よく言われる「アメリカには国民健康保険制度(国民皆保険)はないから、自分で民間の高額の保険を掛けなきゃならない。だから貧乏なら保険も入れないし、病院にも掛かれないよ」は基本路線。

で、実際のところはどうなの??
  

特徴として、まず医療費(治療費)がべらぼうに高い。その差は日本と比べて一桁違うほど。例えば、盲腸の手術を日本で行った場合の治療費は約37万円(※ 3割負担で約11万円、かつ高額療養費制度による返還有り)。しかしアメリカでの治療費はなんと250〜570万円!!(例:ニューヨーク)。

その他の手術例として、日帰りの子宮筋腫外来手術で100万円以上、虫歯治療2本で10万円以上、出産費用は150万円以上かかるそう。

以上、原則は全額自己負担である。

しかし何故これほどまでに医療費が高額なのか!?最大の要因は、アメリカにおいて「医療はビジネスである!(福祉ではない!!!)」点にあると言える。

よって民間の保険に頼らざるを得ないが、仮に運良く医療保険に加入してたとしても、よほど保障内容の良い高額な保険でもない限り治療費の全額は出ない。

 ※しかも医師から手術を勧められたとしても、これまた保険会社が了承するとは限らないのも困る(あっさり却下される場合も多いらしい)。

また、高額な保障プランなら掛かった費用の100%でるものもあるが、一般的な、或いは安い保障プランものだと「支払い控除額」が大きい。例えば支払い控除額が5,000ドル(60万円)のものなら、60万円に達するまでは全て自己負担となる。…現実的に無保険と同じ状態である。※オバマケアの問題点はここにある。

で、その保険料だが、民間の医療保険は、一人あたりだいたい月々300〜1,000ドル。これが家族4人なら、実に毎月1,200〜4,000ドル(1$=120円なら、144,000〜480,000円)掛かることになる。

 ※当たり前だが、保険料が安いものは支払い控除額が大きかったり、カバー率が低かったりする。

また、保険会社や契約プランによって、利用できる病院や医師及び補償内容が異なり、保険会社が指定した医療機関でなければ保険は使えない。現実として、病や事故で倒れ救急車に乗ってから、保険会社に連絡を取り、指示された病院を探すことになる、…たとえ目の前に病院があったとしても!!

 ※ちなみに救急車も数百ドル掛かります。

 ※自分で自由に病院や治療法を選択出来る日本って、素晴らしいですね (TωT)

また歯の治療については歯科保険に、眼の治療については眼科の保険に加入する必要もあるそうです。

以上ざっくりと説明してみましたが、夢の国アメリカも医療に関してはとてもシビアな国です。

アメリカ国内での全ての自己破産のうち、60%が医療費支払い困難によるものというのが、その過酷さを物語っています。

  

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